こんにちはヨシフです。
今日は少し志向を変えてお堅く国際情勢について記事にしてみようと思います。
ヨシフの個人的見解を大いに含みますので間違いなどあるかもしれませんがご容赦ください
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目次
親ロシア派が実効支配する地域(ウクライナ領)の独立を承認
2022年2月21日 プーチン大統領はウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」と呼ばれる親ロシア派が実効支配する地域の国家としての独立を承認しました。
両地域はウクライナ東部でロシアと国境を接する地域です。
2014年のウクライナ動乱の際に親ロシア派勢力が独立を宣言し事実上支配化に置いていました。
ウクライナ政府によればロシア政府が裏で糸を引いていたと主張、ロシア側はこれを否定している
その地域について今回ロシアが正式に独立を承認したという形になります。
ロシアが裏で動いていたならすでに承認されていてもおかしくなさそうですが、これまでは未承認の状態だったようです
なぜウクライナで軍事的緊張が続いているのか?
ひとえにNATOの東方拡大に対してロシアが危機感を持っていてそれへの対応ということになります。
NATOの東方拡大
NATOとは?
正式名称「北大西洋条約機構」
もとは冷戦時代にソ連率いる社会主義陣営に対抗するために作られた軍事同盟
アメリカを筆頭にイギリス、ドイツなど北米・欧州の資本主義陣営が加盟していた
冷戦終結後は敵に備える軍事同盟から地域紛争の予防・火消に主活動をシフトしつつある
以下地図を見るとわかるのですが冷戦終結以降東側への勢力伸長が著しいことが分かります。
ロシアから見たNATO東方拡大の問題
では、なぜNATOの東方拡大が問題になるのでしょうか?
一見すれば各国がどの国と条約を結ぼうがどの軍事同盟に加入しようが自由であって他国がこれに文句を言う権利があるのか?
と思いたくなります。
事実上記の考えは少なくとも国際ルール上はその通りです。
とはいえ、原理原則通りに進まないのも世の常でロシアにはロシアの事情があります。
ロシアは少なくとも冷戦時代から敵国との間に少なくとも中立、できれば親ロシア(ソ連)の国をなるべく広くとることで緩衝地帯とすることを安全保障の大方針としてきました。
冷戦時代であればポーランドや西ドイツ、ハンガリーなどがソ連から見た緩衝地帯に該当します。
これはいざ戦争になっても緩衝地帯で戦うことでロシア(ソ連)への被害低減、戦闘準備への時間稼ぎ、攻め側のリソース消費を強いる これにより戦争をロシア(ソ連)有利に進めるためです。
そう、NATOの東方拡大はロシアの安全保障方針と真っ向から反するものになります。
特にウクライナはロシアと接する国境線も長く、ウクライナのNATO加入阻止はロシアにとって非常に重要な関心事になります。
2014年のウクライナ動乱以降のウクライナ政治はは親欧州派が有力でEUやNATOへの加盟を志向しているとされていてこれがロシアを痛く刺激しているのです。
プーチンの目的
NATOの東方拡大がロシアにとって困ること、ウクライナのNATO加盟を阻止したいことはわかりました。
しかし今度は今回のような軍事的緊張を作ることでその目的は達せられるのか?という疑問がわいてきます
むしろ軍事的緊張はウクライナをNATO加盟に走らせるのでは?と
実はウクライナ(ジョージアも)はすでにNATOから加盟を認められています(2008年の首脳会議にて)
あれ?ならなぜ今もめているの? 当然の疑問ですね
実はこの加盟承認はすぐにではなく「将来的に加盟を認める」ということになっていていつ加盟するのかは全く決まっていない状態です。
これにはNATO側の事情があってロシアを刺激したくないからです
「ウクライナさんはNATOの仲間だよ!」とウクライナに言っている一方で
「ロシアさん、いつとは言ってないよ、永遠にないかもだよ!」とロシアを刺激しないようにしています。
NATOからするとロシアと正面切って対立してまでウクライナを加盟させたくないというのが本音です。
実際に今回の騒動もNATOとしてのウクライナ支援には消極的です。
つまりロシアとしてはあえて緊張状態を作り出すことでNATOに二の足を踏ませているということになります。
ジョージアの事例
実はロシアは過去に似たような手法を使ってある東欧国のNATO加盟を防いでいます。
それがジョージアです(2008年にウクライナとともに「将来的に」加盟を認められた国ですね)
2008年に発生した南オセチア紛争を覚えているでしょうか?
北京オリンピックに合わせたように発生した紛争でジョージアの南オセチア地方の分離独立運動に対してジョージアが同地域を攻撃しました。
それに対してロシアは同地域のロシア人保護を名目にロシア軍を派遣し事実上ジョージアVSロシアの戦争となりました。
実は同地域に居住している「民族的に見たロシア人」は少数派なのですが、ロシアはあらかじめ南オセチア住民に対してロシアのパスポートを配布していて、ロシアのパスポートを持つものはロシア人であるという名目のもと介入しました。
あらかじめパスポートを配布していたのは南オセチアが紛争状態に陥るであろうことを予想し、介入の大義名分を作るために準備していたということですね。
結局この紛争により南オセチアは事実上独立を果たすのですが今でも軍事的緊張は続いています。
そのためジョージアのNATO加盟はウクライナ同様いまだにかなっていません
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